内見時のチェック事項

ドイツでの物件探しにおいて、内見(Besichtigung)は間違いない物件探しをするための最も重要なステップです。後悔やトラブルを避けるために、内見またはビデオ内見(代理人が現地から Teams や Zoom などで繋ぐ形)をしないで物件を決めることはお勧めできません。

ドイツの建物は築年数が100年を超える「アルトバウ(Altbau)」から、最新設備を備えた「ノイバウ(Neubau)」まで多岐にわたり、それぞれに特有のチェックポイントがあります。後悔しない内見のための「内見チェックリスト」をまとめました。

また、「逆に自分がチェックされているかもしれない」という貸主側からの目線についても最後に言及してあります。

1. 内見ではまず基本的な設備・仕様を確認

まずは、ご自身のライフスタイルに照らし合わせて、物理的な条件を確認しましょう。

  • エレベーターの有無: ドイツでは4階・5階(日本式の5・6階)でもエレベーターがない物件が珍しくありません。ミネラルウォーターを運ぶのは大変な修行になります。
  • バスタブの有無: 単身用中心にシャワーのみの物件も多いため、湯船に浸かる習慣がある方は必須チェックです。
  • 洗濯機の設置場所: ドイツの伝統的なスタイルでは、洗濯機は地下の共有洗濯室に置くものとされています。室内(キッチンやバスルーム)に設置スペースと排水口があるか確認が必要です。
  • 屋外スペース: テラスやバルコニーの有無、シャッターの有無(手動か電動か)を確認しましょう。(注:シャッターはなくてもカーテンの取り付けは可能です。ご参考ページ「ドイツでのカーテンの取り付け」

2. ドイツの内見では「エリア差」に注意

物件は建物そのものだけでなく、周囲の環境も含めたパッケージです。

  • 通りを隔てた格差: ドイツでは、一つの通りを隔てるだけで住人の層や街の雰囲気が一変することがあります。
  • 生活利便性: 最寄り駅やスーパーへのアクセスは、実際に歩いて雰囲気まで見てみるのが一番です。
  • 時間帯による変化: 内見時だけでなく、夜間や週末の静かさ・治安も考慮に入れると安心です。

3. 古い物件で注意すべき点:「水回り」「匂い」など

リノベーションされて見た目が美しくても、インフラの古さは隠しきれません。

  • 水回りの稼働: トイレを流した時の勢いや、水道の出具合、排水の良さを必ずチェックしましょう。ここだけは後から簡単には直せません。
  • 「匂い」の嗅ぎ分け:
    • 室内: 下水の匂いやカビ臭さがないか。
    • 踊り場(共有部): 共用部の匂いは近隣住人の生活習慣を反映します。室内の匂いは清掃で消せますが、隣人が出す匂いは変えることができません。
  • 家具の配置シミュレーション: ドイツの部屋は天井が高く広く見えがちですが、実際に手持ちの(あるいは購入予定の)ベッドやソファが収まるか、コンセントの位置も含めて具体的に想像してください。

4. 階層ごとのメリットと落とし穴

  • 地上階(Erdgeschoss): 階段がなく楽ですが、通りからの視線やアクセスが容易なため、防犯面(窓のシャッターの有無など)に注意が必要です。
  • 最上階(Dachgeschoss): 天窓があり開放的ですが、古い建物の三角屋根の下は夏場に驚くほど高温になります。断熱材がしっかり入っているか、風が通る構造かを確認しましょう。

5. ドイツでは新築物件こそ慎重に

「新しければ安心」とは限りません。新築物件は工事の詰めが甘く、初期不良(瑕疵)が隠れていることが多いものです。

  • ドアや窓の開閉がスムーズか。
  • 水漏れの形跡がないか。
  • 細部の仕上げに不備がないか。

可能な範囲で、実際に動かして確認することがトラブル回避の近道です。

その他のチェックポイントと「内見なし」への戒め

上記以外にも、建物の建て付けや貸主の性格(ご参考ページ「避けるべき貸主」)など、やや見分けることの難しい専門的な確認事項があります。経験がものを言う部分が大きいので、当社では内見の際には積極的にご相談いただくようにしております。 

また、先述のように内見やビデオ内見なしで物件を決めることは決してお勧めできません。水回りの「匂い」だけでなく、そもそも物件の設備や状態が「写真と違う」とか、「いざ引渡に行ったらまだ床やキッチンが工事中で入居できなかった」といったことも事例があります。また、内見に行くことで貸主側の体制など気付けることもあります。内見は何らかの形で必ず行うようにしましょう。

(要注意)逆に貸主側からチェックされている可能性も

ドイツでは内見無しで賃貸契約を結ぶことはほとんどありません。少なくともビデオ内見を経ることなくしては、貸主側は真摯な応募とみなしません。そのため、テナント候補自らが物件に行って、貸主ないしはその代理人と顔を合わせることになります。

その際、貸主によってはテナント候補の品定めをすることがあります。そのため、服装や態度・物腰などが見られていると思って内見に赴いた方が間違いはありません。