家賃上昇条項について

ドイツでの物件探しにおいて、契約書に記載される「家賃の上昇ルール」を理解しておくことは、長期的な生活設計において非常に重要です。また、ご駐在の場合には滞在期間中に予算上限を超える可能性もありますので、雇い主様が家賃上昇についてどのような対応をされておられるのかを事前に把握しておく必要があります。

賃貸契約書の家賃上昇条項には、主に以下の3つのパターンに分かれます。

1. インデックス家賃(Indexmiete):当社取り扱い物件全体の約60%

現在、最も主流となっている形式です。ドイツ連邦統計局が発表する消費者物価指数(CPI)に連動して家賃が変動します。

  • 仕組み: インフレ率に合わせて調整されるため、物価が上がった分だけ家賃も同じく上がります。
  • 改定のタイミング: 前回の改定または契約開始から最低12ヶ月経過している必要があります。ただし、必ずしも毎年きっかり改定されるわけではなく、1.5年〜2年分をまとめて1回で改定するケースも見られます。
  • ポイント: 賃貸物件市場価格が急騰しても、物価上昇率を超えて家賃が上がることはないため、予測が立てやすい側面もあります。

2. 段階的家賃(Staffelmiete):全体の約20%

将来の家賃上昇額があらかじめ契約書に明記されている形式です。

  • 仕組み: 「1年(または2年)ごとに〇〇ユーロ、または〇%上昇する」とあらかじめ固定されています。
  • 注意点: 一般的な上昇率は1年で2%〜2年で5%程度ですが、近年の高インフレ(約10%)の記憶から、年5%といった高い上昇率を要求してくる大家もいます。長期契約になるほど負担が重くなるため、慎重な確認が必要です。

3. 据え置き家賃:全体の約20%

家具付き物件の短期契約や、個人オーナー物件に見られる形式です。

  • 仕組み: 契約期間中、特定の増額条項や近代化投資などがない限り家賃は一定です。
  • 改定のリスク: ただし、数年ごとに市場価格(Mietspiegel:自治体による家賃調査統計)との乖離を理由に、個別に交渉・増額を打診される可能性があります。

よくあるご質問:期限付き契約と再契約時の家賃

「期限付き契約(家具付きなど)で、契約終了後に再度同じ物件を借りる場合はどうなりますか?」というご質問をよくいただきます。

この場合、法律上は「契約の延長」ではなく「新規契約」扱いとなります。大家側は、その時点での最新のMietspiegel(家賃調査統計)や市場相場を反映させた新しい家賃を提示する権利を持っています。

「据え置き・期限付き」の物件は一見安定しているように見えますが、再契約のタイミングで大幅な値上げを提示されるリスクも孕んでいます。長く住む予定がある場合は、無期限契約や延長オプション付き契約を求めるのがよいでしょう。